ご挨拶

藤井 幸彦

第42回日本てんかん外科学会
会長 藤井 幸彦
新潟大学脳研究所 脳神経外科学分野

この度、第42回日本てんかん外科学会を平成31年1月24日、25日に東京で開催させていただくことになりました。新潟大学で主催させていただくのは1996年、第19回大会、当時は「ペンフィールド記念懇話会」と呼ばれていた時代ですが、それ以来2回目となり、大変光栄に存じております。

新潟大学脳神経外科教室の創始者である中田瑞穂先生は、大脳半球摘除術をはじめとしててんかんの手術にも積極的に取りくまれ、1966年にはてんかんに関する史的雑記「癲癇2000年」という連載を書かれました。その最後にこう書かれてあります。「てんかん学の最近の進歩は、尚、てんかんの実態を確実に捕捉し得ていないが、あらゆる研究は、やがてこの長々と続いている2000年以上のてんかんと歴史に、やがて終止符をうってくれることと期待する。」中田先生がこの連載を書き終えてからすでに半世紀が過ぎていますが、未だてんかんという複雑な病態を確実には捕捉できておらず、終止符を打てる段階には至っていないのではないかと思います。今回のテーマを「「癲癇2000年」〜それから」とさせていただいたのは、中田瑞穂先生の言われる、いわゆるてんかんの実態にどこまで迫れているのかを今まで進歩してきたてんかん外科を顧みて、現時点でどの程度まで終止符に近づいているのかを確認できる学会にできればという思いを込めました。

今回はシンポジウムを「てんかん発作残存例の検討」、「てんかん原性の可視化」、「緩和治療の今後」、「新規抗てんかん薬と外科治療の役割」の4つのテーマにさせていただきました。また特別講演をトロント小児病院の大坪宏先生、教育講演を新潟大学脳研究所病理学教室の柿田明美先生にお願いしております。いずれの先生も現時点でのてんかん病態解明の実態を把握する上でのマイルストーンをお示しいただけるものと楽しみにしております。最近のてんかん外科学会のプログラム構成は、シンポジウム以外はポスター発表の形式でしたが、今回はできるだけ一般口演を多くして、より多くの参加者で討論する場を持ちたいと思っております。

現時点でのてんかんの病態把握の進歩を皆様で共有し、今後のてんかん外科の発展に少しでも貢献できる学会になるように運営に尽力する所存です。

何卒皆様のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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